集合的無意識に近づきたい

社会の底辺で生きる高齢ド素人が《ミスiD》オーディションに応募した経過を綴ります。面白ネタも書きます。

長年の夫からのDVによって無感情に生きてきた美人妻さんのお話

こんにちは、森本ゆかです。前回の記事投稿日のアクセス数が200を超えていて、大変驚きました。Facebookでシェアしていただけた方が多く、本当に感謝です。どれだけの人に見てもらえたかで、モチベーションは全く違います。本当にありがとうございます。これからもがんばります。

 

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さて、今回は、私の友人のお話です。”つらい経験をしながらも生きる強さ”をどうしてもお伝えしたくて、書かせていただきます。文章が多くなってしまい、申し訳ありませんが、読んでいただけると嬉しいです。

 

 

 

 

美人妻Hさん

美人妻さん(以下:Hさん)とは、ある芸能人(以下:芸能人F)に人生相談をするという雑誌の企画で出会った。

Hさんは、実年齢よりも10歳以上若く見える。もの凄く美人だ。なのに、鼻につく態度はしない。大人の落ち着きをみせていて、相手の話を静かに聞く。少し気になったのは、「私なんか別に…」「私はどうせ…」など、自身を否定する言葉が多かったことくらいだ。

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その企画では、性についてのお悩み相談をする参加者が多い。Hさんは超美人な上に、人妻であったので、「夫以外の人と関係を持ってしまった」「性欲が強くて困っている」などのエロい悩みであるに違いないと、私は踏んでいた。しかし、実際の相談内容は、想像を絶する深刻さだった。

それは、2ダースほどの年月続く、夫からのDVだった。殴る、蹴るの身体的暴力はもちろん、自分の存在を根本から否定する精神的暴力を日常的に受けていた。最近は、身体よりも、言葉の暴力がひどくなってきたという。Hさんは、子どもがいる・頼れる親族がいない・Hさん自身で生活していける経済力を持っていない、という理由で、家から出ることは困難。どうしていけば良いのかわからず、勇気を持って相談しにきたとのことだった。

 

Hさんの闇

Hさんの注目すべきポイントは2つある。

1つは、普通の人に見えること(美人という要素以外で)。暴力を受けた人は、怯えた目をしていたり、警戒するような態度をとる場合が多い。自分の心の傷をどうにかしたくて、相手の感情を利用しようとする人もいる。しかし、Hさんはそれらの行動をまったくしない。

2つ目は、生命力の強さ。日常的に暴力を受けていたはずなのに、顔や身体はとてもきれいに見える(頭部の傷以外)。本人は「相手もそれを計算してやっていたのではないか」と言うが、話を聞く限り、一つくらい傷やアザが残っていてもおかしくない(むしろ当然な)経験をしている。以前、テレビ番組で、脚本家の宮本亜門さんが『交通事故で、後頭部座席からフロントガラスを突き破って15メートルぶっ飛び、顔と頭を50針縫う重症を負ったのに、後遺症も残らず、顔も元どおりになった』という話をしていて驚いたが、Hさんもこのケースに似ている。

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運というよりも、すごい生命力の強さだ。普通の人と比べて、回復力が圧倒的に高い。Hさんは「面倒くさいことは、すぐに流す」らしく、強靭な精神力もある。

ところが、表面的な人格に問題はなさそうに見えても、Hさんの心の内部は闇でいっぱいだった。なんと、夫からのDVを耐え忍ぶために、無感情で生きてきたのだ。年中、暴力にいちいち反応していたら、心が崩壊してしまう。だから、何も考えないことで、自分の心を守る必要があった。そして、Hさんは自分の頭で考えることを放棄し、夫の奴隷となることを選んだ。

『なぜ、HさんはDV夫から逃げなかったのか?』もちろん、経済的な理由もあるが、本質的な問題があった。それは、DV夫と”共依存”の関係になっていたということ。

暴力を振る人間は、自分の弱さに負けている。相手を支配することで、自分は強いと思い込みたい。また、根本的な愛を知らない。心から安心して存在できる居場所がないため、常に不安が襲ってくる。防衛のための攻撃が、暴力となって現れる。

一方、HさんはDV夫に同情していた。「暴力はそのうちなくなるのではないか」と虚しい期待を抱いていた。

人は、少なからず”誰かに必要とされたい”欲求を持っているが、誰に必要とされるかが問題だ。Hさんが信頼に値しない相手を受け入れてしまったのは、自分自身への不信があったから。自分を信じることができなければ、相手を信じることもできない。相手を”信頼できる人”であるかどうかの見定めが不可能なので、無条件で受容する。

支配されることへの恐怖と心地よさにはまってしまうと、そこから抜け出すのは非常に困難だ。無感情になろうという頑なな姿勢のおかげで、相手からの攻撃に耐えられるようになり、心を傷つけられても放置するようになる。ある意味生きやすい生き方。しかし、自分で自分をごまかすことはできても、傷つけられた痕跡は消えない。後からしわ寄せがきてしまう。

夫の支配する依存、Hさんの支えることへの依存によって、不幸なマッチングが成立してしまった。

 

快進撃

そんな複雑な事情を抱えて相談にきたHさんであったが、ここで芸能人Fから意外な提案をされる。それは、『毎回この企画に参加して、相談者の悩みを聞いていったらどうか?』というものだった。色々な人の話を聞くことで、自分の考えを整理してみては、というFの計らいだった。

それから約半年間、Hさんはその企画に通い、相談者の話を聞き続けた。そこで、ある大きな変化が起きた。まず、毎月一回その企画に参加することで、一つの居場所を与えられた。今まで、Hさんの活動範囲は家・学校・スーパーと限定されていたので、外に1つ自分の居場所が増えることは、Hさんにとって嬉しいことだった。唯一の居場所である家が”恐怖”であったことから、Hさんの心の世界は、不安で充満していた。だから、誰からもどなられず、自分自身を受け入れてくれる場所は、Hさんの”心の安全基地”を築く上で重要な役割を果たした。

毎月参加していくうちに、Hさんは、昔の知り合いと連絡をとれるようになり、少しずつ、外部との交流が増えていった。そして、現在。なんと、Hさんは芸能事務所に入り、芸能活動を始めるまでに至った。Hさんは元々、DV夫と結婚前、モデルの仕事をしていたのだ。当時の事務所に再所属し、今は撮影のお仕事をちょくちょくもらうようになっている。また、自分の考えを相手に伝える技術を学んでいる効果もあるようで、出会った当初と比べて、自身を否定する言動はなくなった。Hさんは、固く閉じられていた扉を開けて、小さいけれども、確かな自我を育てていく覚悟を持ちつつある。そして、この変化の波にのるように、DV夫は自分の趣味に没頭するようになり、Hさんへの暴力は激減した。Hさんの周辺で、何かが大きく動き出している。「芸能人Fに感謝の気持ちを忘れず、少しずつ活動を続けていきたい」とHさんは語る。

 

あなたの存在が誰かの励ましになる

Hさんは、不適切な依存を受け入れてしまう”人間の弱さ”があるが、本当は、強い魂の持ち主だと思う。宮本亜門が死から這い上がって素晴らしい演出家になったのと同じように、Hさんにも、果たすべき使命があるのではないかと私は感じる。私はHさんに出会って、とても励まされた。これだけ苦しい体験をしながらも、生きてきたのかと思うと、胸に熱い想いがこみ上げる。Hさんの存在自体が、誰かの励ましになっていけるのだと思う。

Hさんとは、たまにやりとりを行っている。その都度、Hさんの成長を感じるし、共にがんばることのできる友人がいるのは、ありがたい。私は今、『ミスiD』という次世代アイドルオーディションを受けており、死に物狂いで挑戦しているが、信頼できる人に応援してもらえるのは、大きな心の支えだ。お互いを高めあっていける関係は、本当に貴重であると思う。これからも大切にしていきたい存在だ。

 

私は、Hさんが望み通りの人生を歩んでいけると信じている。

 

 

ゆか